私は、1万円弱の値段で手に入れたソフトを使って、自分の家の設計図を描いてみました。
新しい間取りは、南側に面したところに、私と家内の部屋をそれぞれ持つことにしました。
ふたりの子供はすでに独立しているので、当分の間は夫婦ふたりの生活になります。
将来、ここに住む家族構成を考えるよりも、当面、住むことになる私ども夫婦が楽しく生活できる環境、間取りを優先的に考えたのです。
日常の暮らしが快適でしかも便利であるように、浴室と洗面所は2階につくるように計画しました。
ソーラーサーキットエ法は、家全体を板状の断熱材で覆って高気密化した構造ですから、高い天井や大きな部屋をつくっても、温度が変わらずに保てるという点で、安心して設計することができました。
ソーラーサーキットエ法の家は、家屋内の空気対流を重視しており、小屋裏に換気装置を設置します。
小屋裏に上がるために、2階踊り場の天井から、使うときだけ引き下ろせるタイプの階段がつきました。
屋根は切り妻型を採用しましたから、寄せ棟型よりも小屋裏は広くとれ、床板を張ると結構な広さのスペースができました。
工作台を置いて木工を楽しむ場所にしたり、雑貨や普段必要ないものの収納庫として役立つように計画しました。
設計をあれこれ考え、設計図がT建設との間で往復していた期間は、たいへん楽しく、充実したものでした。
なにかと話題になっている「シックハウス症候群」は、新築や改築後の住宅に入居すると、上棟式が行われたのは、2000年7月。
およそ4カ月にわたる工事を経て、U月末に完成しました。
シックハウス症候群の元凶は、建材や壁紙の接着剤、シロアリ駆除剤などに含まれる揮発性の化学物質です。
特に、ホルムアルデヒド、クロルピリホスなどが問題にされています。
建築の作業性や経済性、耐久性を追求してきた結果に生じた、副作用のようなものです。
T建設の建てるソーラーサーキットエ法の家は、構造材にはN材の桧を使い、自然材をふんだんに使った木造軸組住宅です。
床下はべタ基礎によって湿気を防ぐことができるし、土台はシロアリの浸食に強い桧を使うので駆除薬剤は一切使用しません。
壁紙も樹脂系のものではなく、紙製品を使う配慮もされていますし、接着剤も安全なものを使っています。
私はにおいなどの刺激に鈍感です。
それに比べて家内のほうは敏感な体質なのですが、その家内が新築の玄関に初めて立ったときに薬剤のにおいもなくて、木の香りが充満していることに気が付き、「とても気持ちが良くて、快適」と喜んでいました。
す。
目がチカチカする、吐き気がする、喉が痛いなど、体長を崩す症状が出ることを指していま暖かくなる春に向けて入居後、初めて迎えた冬は、全国的に寒波が押し寄せ、予想以上に寒い日が続きました。
ここしばらく暖冬の年が続いて、比較的ラクに過ごせたので、この寒波襲来はたいへん厳しいものに感じました。
新居の窓サッシはすべて複層ガラスの樹脂製で、結露することは一度もありませんでした。
ソーラーサーキットエ法の性能はさすがで、寒い外気はしっかり遮断されていました。
それでも、暖房器具は少し稼働させました。
家中どこでも温度差を気にしないで暮らせました。
リビングや寝室をはじめ、トイレや浴室、洗面所など、ほとんど温度差を感じません。
ですから、風呂上がりなども湯冷めする心配がなくてすみました。
ありがたいことに、この冬は家内ともども、風邪で寝込むこともなく過ごせたのも、無関係ではなかったと思います。
お彼岸に入る頃には、ほとんど暖房器具を使わなくなりました。
5月中旬になってから、8カ所ある床下ダンパーをいっせいに開けて、外の風を内側通気層に通す環境に切り替えました。
このダンパーの開閉は、季節によってはもちろんのこと、その時々の気候に合わせて切り替えることが大切で、ソーラーサーキットの仕組みを生かした快適な室内環境を得るためには、欠かせないことです。
春は比較的過ごしやすい日が多いのですが、暑い夏がどんなであるかが気になるところで家の住み心地は、四季の変化にともなって、どのような環境を得られるかにかかっています。
夏になり、暑い外から帰宅して玄関に入ったとたんに、涼しい冷気を顔や二の腕に実感しました。
我が家は1階、2階、小屋裏の3層構造になっていますが、ことに1階が涼しく感じられます。
階段を上り下りするときに確かに肌で感じることができました。
小屋裏に上がってみると、2階より温度が高いので、温度が上がる原因と考える西側の明かり取りの窓にすだれをかけ、陽差しを防ぎました。
1年間の季節の移り変わりによる室温や湿気の変化の具合を実際に体験してから、適応したエアコンを設置するつもりでいましたが、最初の夏は早くから真夏日が訪れ、さすがにクーラーなしでは寝苦しい日が続きました。
急いで2階の3部屋にエアコンを設置しました。
エアコンを設置して、暑い時間帯は冷房を入れると、以前の家より非常に効率がいいことがよくわかりました。
例えばタイマーを使って冷房すると、後は明け方まで快適な温度が持続してくれました。
以前の家は、一晩中クーラーを入れっぱなしという日が、ひと夏の間に何日もあったことを考えると、たいへんな違いです。
新しい家に入居すると、以前の家の住み心地はどうだったか、今度の家と比較してどうかなど、時間の経過とともにどんどん忘れてしまうことに気がつきます。
「喉もと過ぎれば熱さ忘れる」とい、2諺どおりです。
しかし、温度や湿度の記録を見ながら振り返ってみると、以前の家は単に「住むための家」だったのですが、新築した家はひと言でいえば本当の意味で「くつろげる家」になったと思人間は欲求が尽きない動物ですから、この家についてもすべて満足ということはありませんが、快適な環境を得られたという点では、大いに満足しています。
「こんな家に住みたかった」と心から思っています。
私の家はT建設さんで建てましたが、設計は別のところにお願いしました。
たまたまよく知っている設計事務所があったからです。
私たちは、家づくりについては素人ですから、プロの言葉にごまかされてしまうということもあります。
ですから、全部をT建設にお願いするより、設計事務所という第三者的立場で見られるプロに参加してもらったほうが安心感があります。
また、設計は別のほうが、こちらの意見を反映した納得のいく家づくりができるだろうとも考えたからです。
しかし結果的には、設計面でもT建設の多大な協力なしにはできませんでした。
私が施工会社と設計事務所を選んだのは、設計事務所の大事な仕事として、設計で指定した材料・材質と工法を施工会社が正しく行うか、監視し、点検することがあると思ったからです。
この業務をしません。
行うかどうかがきわめて重要なことです。
大きな金額をかけてつくる家だからこそ、後悔しない方法で取り組んだのです。
T建設で家を建てたいと思ったのは、T建設がつくるソーラーサーキットの家の性能の良さを知っていたからです。
それは知り合いの家なのですが、訪れたのは夏の暑い日。
いちばん驚いたのは、天井裏に上がったら、普通の部屋のように涼しかったことです。
そこで思い出したのが、子供時代に育った茅葺きの家のことです。
茅葺きの家は夏涼しいのです。
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